山声人語 vol.12
▽小さい頃は、もし生まれ変われるとしたら空をとべる鳥になりたかった。反対に退屈そうな植物にはなりたくないなと思ったものである。今回の山行の最中に、久しぶりにもし生まれ変われたらなんて事について考えた。きっかけは蜘蛛と木々。...
山声人語 vol.11
▽よろこびやかなしみに寄り添うような歌が好きだ。メロディーを聴くだけで青春の1ページがふっとよみがえったり、打ちひしがれた夜にそっと手を差し伸べたりしてくれる歌がある。そんな特別な歌を持っているのは、きっと僕だけではないはずだ。...
山声人語 vol.10
▽槍ヶ岳、山好きならきっと一度は登ってみたいと思う山。登り初めて数年は、「アルプス」という言葉に憧れを抱きながらつつも怖くて近郊の低山を中心に登っていた。今ではアルプスはすっかり日常に溶け込み、ついに今年目標としていた槍ヶ岳に登ることができた。...
山声人語 vol.9
▽「感謝」をするのはどんな時ですか?人に何かをしてもらったときや助けてもらったとき。美しい景色を見たとき。人はさまざまな場面で何かに支えられて、生きています。そのことに気付くことができると幸せだと思います。 ▽皆知っている通り、槍ヶ岳は北アルプスのシンボルであり、多くの登山...
山声人語 vol.8
▽社会人4年目の夏。山岳会に所属した。転勤族にとり、職場や地域を越えて楽しみを共有できる場があるのは素敵なことだ。貰った称号はメインカメラマン。初めて一眼レフを手にしたのは、大学の卒業旅行で行ったボリビア。見える全てが天空のようなウユニ塩湖をより綺麗に収めるべく、なけなしの...
山声人語 vol.7
▽Amazonでは買えない本がある。その本は絶版や売り切れなんかではなく、東京の西国分寺にある不思議なカフェ「クルミドコーヒー」だけで売っている。カフェから生まれた出版社が手がけたその本の名は『りんどう珈琲』。内容もさることながら、装丁がシンプルでとても美しく、上下セットで...
山声人語 vol.6
▽何も考えずぼーっとしてる時間、そんな贅沢な時間を僕らはどれくらい持っているだろうか。通勤途中の電車を見渡すと、皆何かをしている。携帯を見たり、本や新聞を読んだり(寝ている人もいるな?)。今やTVや広告、携帯などどこにでも情報が溢れていて、意識しないと何もしないというのは案...
山声人語 vol.5
▽山に登っていて、ふと考えることがある。時代ごとに街の風景は変わっても、ここから見えるこの景色は、変わらず誰かが見てきたものなのかな、と。江戸時代も平安時代ももしかすると、文字も持たない時代から。そして、この山で見たであろう満開のシャクナゲや、夕陽に染まる秋の山肌、光を返す...
山声人語 vol.4
▽山が私を虜にする理由。カラフルな服に身を包み、風の音、鳥の鳴き声、草花の香り、、、自然を肌で感じながら、山を登る。それがとても楽しい。また、季節によっても山の景色はまったく異なる。日本に生まれて良かったと感じる。...
山声人語 vol.3
▽北米の先住民族の神話には、ワタリガラスが主人公の物語があるという。アラスカの自然や文化に生涯を捧げた写真家・星野道夫さんの本で知った。大きなくくりで“エスキモー”と呼ばれる彼らの暮らしには、今も昔からの知恵や工夫が脈々と受け継がれているらしい。極北の厳しい環境の中でたくま...